2015年10月15日更新

【自称工作師がつくる「クロス互換リフィル」】

ヤフオクでポチった、クロスの12金張クラシックセンチュリー。
「リフィルは使えない」条件で買ったので、リフィル工作が必然に。
難航した工作を救ったのは。。。

自称工作師

文具工作部隊「SKIP」隊長、日本茶色普及協会理事長、茶色好き(通称:チャイラー)。
「ないものは自分で作る」「作り方は自分で考える」をモットーに、不定期で「工作会議」を開催しワークショップを行っています。

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はじめに

 

たまたまヤフオクを見ていると、クロスの12金張ボールペンが安く出品されていた。

ポチッ。
500円、衝動買いしてしまう。
クロスクラシックセンチュリー

 

クロスは1846年に創業した、米国で最も長い歴史を持つ筆記具メーカー。
私が衝動買いした「クラシックセンチュリー」、クロス創業100周年を記念して1953年に発売されたボールペンで、発表以来60年の時を経た今日でも、デザインをほとんど変えずに世界中の人々に愛されつづけているクロスの代表的シリーズである。
特徴的なペンのトップの形は「コニカルトップ」と呼ばれており、クロスのペンの代名詞となっている。

最新カタログを見ると10金張、14金張、18金張はあるのだが、私が落札した12金張はすでに廃盤になった模様。
10金張が約10000円、14金張が約16000円なので、12金張は13000円くらいか。

ペンには「MADE IN IRELAND」との刻印がある。
クロスのアイルランド工場が閉鎖されたのが1999年なので、それよりも古いペンであることがわかる。
金のくすみ具合からすると、おそらく1980年台後半から1990年代前半、約20年落ちのペンであろう。

「リフィルがあるが書けない」という断り書きで買ったので、当然リフィル交換が必要になる。

クロスのペンのリフィルって特殊なんだよなぁ。
しかも800円くらいするんだよなぁ。
やっちゃおうかなぁ。

というわけで、今回はクロスの12金張を改造する。

 

 


工作のポイント

 

クロスは回転繰り出し式のボールペンである。
独特の「ヌルッ」とした感触を好むマニアも多い。

分解すると純正のリフィルは長く、そして細い。
分解

 

後ろにはネジがついていて、これでリフィルをペン本体に固定する。
リフィルについてるネジ

 

クリップがついた外側を回転させることにより、先端から芯が姿をあらわす。

さっそく手元にあったゼブラの「Surari」のリフィルを準備して、差し込んでみる。

ん?
芯が出てこない。

リフィルを比較してみると、純正のリフィルのほうが細い。
Surariも国産では最細の部類に入るのだが、クロスの純正リフィルはそれよりも細い。
先端の穴が小さすぎて、Surariのリフィルの先端が出てこないのである。
入らない!

 

「小さい穴にいかにして太い先端のリフィルを収めるか」。
これが今回の工作のポイントである。

ふっ。
ならば、アイツを使うか。(ニヤリ)

「先端の穴が小さすぎて、Surariのリフィルの先端が出てこない」という課題を解決するため、リフィルの先端部の金属を鉄ヤスリでガリガリ削ることにする。
しかし丸いものを鉄ヤスリで均等に削るのは職人芸である。
そこで「アイツ」に登場してもらう。
電動字消し

 

そう、「電動○けし」である。
電動字消しにリフィルを差込み、回転させることにより丸いものを均等に削るのだ。

 

 


今回使った材料

 

1)クロス、センチュリー12金張本体

 

2)Surari、0.7mmリフィル

 

3)補正用同軸径の空リフィル
 Surariのリフィルは純正に比べて短いので、コレを使って長さ補正する。

 

4)マスキングテープ
 リフィル長さ補正時の連結用に使う。

 

 


今回使った道具

 

1)鉄ヤスリ
 Surariリフィル先端を削るのに使う。

 

2)電動字消し
 リフィルを回転させるのに使う。

 

3)金磨きクロス
 くすんだ金を磨くのに使う。

 

4)つやふきん
 磨いた金のつやを出すのに使う。

 

 


作り方

 

1)電動字消しにリフィルを差し込む
 リフィルのほうが細いので、マスキングテープで軸径を補正する。
 補正したリフィルを電動字消しに差し込む。
マステで軸補正

 

2)リフィル先端を削る
 電動字消しにリフィルを差し込むだけだと中心がずれてリフィルが飛んでいくため、写真のように鉄ヤスリで押さえながら電動字消しのスイッチを入れる。
 時折本体の穴にリフィルを差し込み、太さを確認しながら削ること。
 完成品の書き味を左右するため、リフィル先端のボールを鉄ヤスリに当てないように気をつけること。
削り1

削り2

削り3

 

3)リフィルの長さ補正
 Surariのリフィルは純正に比べて短いため、長さの補正が必要である。
 使い終わった軸径の同じリフィルを切る。
 切る長さは、以下のとおりである。
  長さ=純正リフィルの長さ - Surariの長さ
 切ったりフィルは、マスキングテープで接続する。
継ぎ足し1

継ぎ足し2

 

4)組み立て
 純正に付いていた後ろのネジを、作成したリフィルに差し込んで組み立てる。
組み立て

 

5)ペン磨き
 入手したペンはせっかくの12金がくすんでいたので、金磨きクロスを使って研磨する。
 写真ではわかりにくいが、びっくりするほど輝きが戻る。
 磨いたペンは「つやふきん」で仕上げをする。
研磨

 

完成。
完成

 

 


使ってみる

 

12金の輝きを取り戻したペン、さっそく使ってみる。

ひねる。
芯を出すときの「ヌルッ」とした感触、再現できている。

書いてみる。
スラスラ書ける。
さすがSurari。

こうして、クロスの20年落ち12金センチュリーが、ピカピカのスラスラでよみがえった。

 

 

まとめ

わたしレシピ。
わたしレシピ

 

。。。
ちなみに今回紹介した「電動字消しでペン先を削る方法」、フリクションのリフィルには使えない。
何故なら削る過程で熱を発するため、フリクションインクが熱で透明化してしまうからである。

 


。。。
クロス?スラリ?
クリス

 

かぶせた帽子はクロスの代名詞「コニカルトップ」をイメージした。
写真見ながら書いてみたけど、なんかキモチわるい。。。。
( ̄▽ ̄)T

 

 

 

 

 

 

 

<免責事項>
ボールペン改造、もしマネするひとがいるならばトラブルが起きても当方では責任を負えません。
自己責任で行ってください。

 

 

 

 

 

 

 

 

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