2016年2月15日更新

【自称工作師がつくる「ボールペンを改造したシャープペン」】

ノック式ボールペンをシャープペンに改造したら、意外と簡単にできました、というお話。

自称工作師

文具工作部隊「SKIP」隊長、日本茶色普及協会理事長、茶色好き(通称:チャイラー)。
「ないものは自分で作る」「作り方は自分で考える」をモットーに、不定期で「工作会議」を開催しワークショップを行っています。

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はじめに

 

今回は、ノック式ボールペンをシャープペンに改造してみる。
多くの人は「何言ってんだ、コイツ」となるが、まあ読んでいただきたい。

モンブラン「スリムラインシリーズ」。
理由は後述するが、私の手元に5本ある。

スリムラインシリーズ

 

このペンは1980年代に発売され、当時の定価で3000~10000円のものである。
30年間で貨幣価値およそ2倍程度とされているため、現在ならば6000~20000円くらいだろうか。
もちろん今ではすべて廃盤である。
そしてこのシリーズは市場に出回った量が多いためか、ヤフオクではよく出品されるタイプである。

ブングスキーでも、過去にこのペンでフリクションのモンブランを作ったことがある。

消えるボールペン


これ以外にもこのペンを改造したことがあるので、後日紹介する。

 

今回使うのは、№2947。
定価:10000円、新品未使用5000円、ヤフオクで入手。

№2947

 

20金張の美しいペンである。
つやふきん」で磨くとピカピカになる。

今回はコイツを使って、シャープペンを作ってみる。

 

 

工作のポイント

 

1)シャープペンユニット

市販品のシャープペンは、ペン先と芯が出てくる管が金属で一体化されているものが多く、分解してシャープペンユニットを取り出しても改造には向かない。
したがって、カスタマイズボールペンの「シャープペンユニット」を利用することにする。

筆記具メーカー各社からカスタマイズボールペンが発売されており、それぞれシャープペンユニットが交換リフィルとして用意されている。
 ・パイロット(ハイテックCコレト)
 ・ぺんてる(スリッチーズ)
 ・三菱uni(スタイルフィット)
 ・ゼブラ(プレフィール)

いくつか試したところ、私が持っているモンブランのリフィルの交換に最適だったのはゼブラのプレフィールであったため、これを利用する。

プレフィールのシャープペンリフィル

 

比べてみると長さがピッタリである。

長さの比較

 

2)ノックして芯を出す方式

軸径を補正すれば、芯が出てくるな。。。

最初は簡単に考えていたのだが、大間違い。
実際にマステを巻いて補正したところ、ノックしても芯が出てこない。

シャープペンリフィルの原理を調べてみる。
シャープペンリフィルは、先端が固定された状態のときにノックすると、リフィルが伸び縮みすることにより芯を出す。
つまり補正軸で固定していまうと、リフィルが伸び縮みできないため、芯が出てこなくなる。

そこで補正軸を外してノックしてみると、今度は芯が出た。
しかし、たまにノックが「空振り」し、芯が出ないときがある。
調べてみると、補正軸がないことにより、本体内でリフィルがルーズになってしまい、中心を外すことがありノックが「空振り」することがわかった。

上記の試行からわかったことは、「補正軸は必要だが、補正軸とリフィルは固定してはならない」ということ。

この結論にしたがって、素直に工作してみた。
リフィルを固定せずに、補正軸を入れてみる。

こうすると、ノックした先が必ずリフィルを押し出すようになり「空振り」が防止でき、シャープペンの芯が出てくるようになった。
今回はこの方式でいくことにする。

。。。と、簡単に書いているが、この方式に行きつくまでに実は2カ月の期間を要している。

 

 


今回使った材料

 

1)お気に入りの軸

 前述どおり、モンブラン№2947を利用する。

№2947

 

2)シャープペンユニット

 前述どおり、ゼブラ「プレフィール」のシャープペンユニットを利用する。

プレフィールのシャープペンリフィル

 

3)透明ABSパイプ

 補正軸として使う。
 東急ハンズで購入(外径6mm、内径4mm)。

透明ABSパイプ

 

 


今回使った道具

 

1)ノコギリ

 ABSパイプを切断するのに使う。

 

 


作り方

 

1)本体の分解

 本体を分解する。
 このペンは、尻軸(ノック部)、胴軸(ペン先部)、リフィル、バネの4つの部品で構成されている。

本体の分解

 

2)補正軸の作成

 ノコギリでABSパイプを切断する。
 長さは63mm。

ABSパイプの切断

 

3)組み立て

 バネ、リフィル、補正軸の順番で胴軸に入れる。

組み立て1

 

 最後に尻軸と胴軸を連結する。

組み立て2

 

 

完成。

完成

 

 


使ってみる

 

まずはノックする。
おおお、芯が出てくる。

芯が出てくる

 

書いてみる。
うん、ちゃんと書けるし、普通のシャープペンと書き味は変わらない。

ちゃんと書ける

 

芯を収納。
うん、ちゃんと芯が収納できる。


大成功。

 

 

まとめ

 

わたしレシピ。

わたしレシピ

 

。。。
ボールペンとして完成しているものに対し、あえてそれをシャープペンにする。
こんなこと、やらなくてもいいはずである。
なぜ私が、ボールペンでシャープペンを作る必要があったのか。

それは、安いボールペンに付加価値を与え、高く販売しようと思ったからである。

スリムラインシリーズのボールペン、型番、状態、時期にもよるが大体2000~5000円がヤフオクでの相場である。
実は、同じスリムラインシリーズのラインナップには、シャープペンも存在する。
こちらの相場は5000~8000円。
シャープペンが市場に出回る絶対数が、ボールペンと比べ圧倒的に少ないためである。


つまり。。。

ボールペンとして入手して、シャープペンに改造して販売すれば、1本当たり数千円の利益が得られるということになる。
そして私はひたすらスリムラインシリーズを入手する。

この企てを実行しようと思ったときに、ふと思う。
ボールペンをシャープペンとして販売することは「詐欺行為」に当たるのではないかと。。。
工作師の「師」は、ペテン師の「師」と同じとはいえ、こんなことで警察に捕まるのはいやだ!
中止!中止!

というわけで、スリムラインシリーズが、手元に5本ある。
今後もこれらを使って「個性のある」ペンを作っていきたいと思う。

 


。。。
もちろんこのペンは、くるくる回って尖り続けたり、パイプが芯を保護したり、そんな機能はついてない。

しかし、まったく問題はない。

なぜなら私は、シャーペンを使わないからである。
( ̄▽ ̄)T

 

 

 

 

 

<免責事項>
工作で事故が起きても、当方では責任を負えません。
あくまで自己責任で行ってください。

 

 

 

 

 

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