2016年10月24日更新

【ブックレビュー】『回転る賢者のシュライブヴァーレ』全三巻

『文具少女ののの』が文具ファンにじわじわと浸透中の星屑七号先生の前作も、実は文具にまつわるものであることは、少し前に書かせていただいた。
http://bungusuki.jp/posts/view/466

そして先日、一気に読ませていただき、こどものころのようなドキドキ感と、かわいいもの好きなおじさんの萌え萌え感で楽しむことができた。

マンガのレビューを書くのはたぶん初めてだが、ご本人曰く「文具少女のののよりも実はコアなファンが多い」という『回転る賢者のシュライブヴァーレ』について書かせていただく。

高木芳紀

ちょい足し文具研究家。文具朝活会を毎週金曜日の朝、渋谷と東京駅(週替り)で開催中。また文具祭りというイベントを3ヶ月に一度(3・6・9・12月)東京カルチャーカルチャーでだいたひかるさんと主催しています。
文具のブログ http://www.boo3.net/

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少年活劇のような激アツストーリー!

小学生のころ、父親が毎月買ってきてくれた本に、山川惣治さんの『少年王者』がありました。

もともとは戦後すぐの作品ですが、そのころ復刻版が出て、『少年ケニヤ』の映画化へと続く流れがあって、未開のアフリカを舞台に躍動する少年活劇(ちなみにマンガではなく、紙芝居くらいの絵と文のバランス)に、高木少年のハートはドキドキしっぱなしだったのでした。

今回読んだ『回転る賢者のシュライブヴァーレ』は、どこかそんな少年活劇を思わせるようなストーリー展開があり、グッと惹きつけられたらもう逃げられない。最後まで一気読みなのでした。

どんなお話かというと、、、

古来より、才能のあるものが究極的に使い込んだ文具には、思いが宿り特別な道具(=賢者のシュライブヴァーレ)となる。さらに精霊(=アイゼンブルーメ)が召喚され、主人の思いを実現するためのパートナーとなる。

しかし、精霊と契約すれば、大きな力となり、未来の栄光が約束されるのと同時に、孤独と残酷な死が待っている。

ペン回しが得意な中学三年生、七梨に現れたのは、位の高いアイゼンブルーメである、品格と優美のカトレア。

「誰か困っている人の力になりたい」という真面目な七梨とカトレアに立ちはだかるのは、欲望に飲み込まれ、他人のシュライブヴァーレを奪ってその力を強大なものにせんとする天才たち。

果たして、七梨とカトレアの運命やいかに!

という、絵に描いたような(いや、絵で描かれてますマンガですから!)ワクワクドキドキの冒険活劇なのであります。

星屑七号先生の作品へのわたくしの願い。

七梨ちゃん。
かわいいですよねー。
星屑先生のマンガは、敵まで美少女ですので、おじさんとしてはうれしいです。(・∀・) 

さて、本題に戻りますが、

もうですね、最初の敵が後に頼もしい仲間となり、さらにそれを俯瞰してみている悪い奴らがいて、という息もつかせぬ展開なのですが、決定的に惜しい点がひとつだけあるのです。

それは、このお話が三巻で終わっていること。

きっと、星屑先生の頭の中では、七巻以上までのお話が、ぐるぐる回っているのだろうと思います。だってそれを感じさせる伏線が各所に張り巡らされていて、処理されないまま終わっているものも多いですから。

このキャラクターだけで一巻分くらいは戦えそうだなとか、あそこに書いてあったの、どうなったんだろうとかね。

でも、最終回は、実は続きがいつでも描ける形で締めくくられているのがひとつの光明。これはぜひいつか、続きが読みたいものです。

出版業界、長い不況に見舞われておりますので、いろいろ大人の事情というのは分かるのですが、文具業界の人間として悔しいのは、どうして3年前にこの作品に出会えなかったのかということです。

そんな力があるわけでもありませんが、そのころはすでに文具朝活も文具祭りもやっていましたし、『文房具屋さん大賞』も刊行されていました。いろいろリアルな発信もやってたわけです。

ですから、その存在を知っていれば、何らか文具業界とのコラボが図れて、マンガが続いたのではないか?

というのは、星屑先生のトークがおもしろいから。

本職のマンガと同じくらいおもしろいと言っては失礼かもしれませんが、あの話術は才能です。アイゼンブルーメがついてもおかしくない。(笑)

おもしろいトークには人が集まりますからね。
いろんなイベントに出ていただければ、ヤングガンガンの読者層だけでない、あらたなファンの開拓ができたのではないか。そう思えて仕方がないのです。

というわけで今回、『文具少女ののの』は、何とか文具ファン、業界全体でプッシュして、長く描いてもらえる作品になって欲しい!

これがわたくしの願いなのですが、愛用の万年筆にそれを叶えてくれる精霊が現れないか、少年のころのような気持ちでペンを見つめる今日このごろなのでした。

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