2017年3月24日更新

【自称工作師が考える「文具と釣具の融合」】

釣具を文具に取り入れたら、書きやすいペンが生まれました、というお話。

自称工作師

文具工作部隊「SKIP」隊長、日本茶色普及協会理事長、茶色好き(通称:チャイラー)。
「ないものは自分で作る」「作り方は自分で考える」をモットーに、不定期で「工作会議」を開催しワークショップを行っています。

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はじめに

前回紹介したOHTOの重量級ボールペン「[O]eau」。

このペンを使ってみて「前重心設計」は書きやすいことがわかった。
前重心設計の優れている点は、重心がペン先に移動することにより、ペン先が紙に貼りつくような感覚が得られることにある。

私が持っているペンは樹脂製か金属製であり、今まで書きにくいと思ったことはない。
「使い慣れたペンは手が重さを覚えているため、あまり重さを意識することがない」というのが私の仮説である。
軽いペンは軽いなりに、重いペンは重いなりに、ペンに合わせて使ってしまうのではないだろうか。

しかし重心を変えるだけで書きやすくなったのは事実である。
なんとかこれを自分の愛用のペンで実現したい。

というわけで、今回はお気に入りのペンを前重心に変えてみることにする。

工作のポイント

万年筆やボールペンは人間工学に基づいた工業製品である。
したがって、その外見の形状には無駄がない。
中身も同様で特にペン先部分は狭くなっている上、部品が隙間なく詰められている。

ペンがペン先にインクを供給する構造は、インクを貯めた軸から、貫通した管を通ってペン先にインクを送り込む形になっている。
このレベル感で構造を語るならば、カートリッジ式万年筆も、吸入式万年筆も、リフィルタイプのボールペンも同じである。

ということは。。。
「インクフローを遮るような錘(おもり)を使うことはできない」ということになり、リフィル自体を重くする選択肢はなくなる。

そうすると「インターフェースを変えてはならない」という、私のボールペン改造の基本から逸脱せねばならない。

錘を配置する場所がリフィルではないとすると、あとはペン先と尻軸ということになる。
尻軸に錘を配置すると「後ろ重心」になるため、事実上ペン先側の軸しかない。

あらゆるペンの構造を調べてみる。

すると。。。
インク(カートリッジ、コンバーター、ボールペンリフィル)の直径と、本体の軸の内径に差があり「スキマ」を持つペンがあることがわかった。

スキマがないモノはどうしようもないが、スキマがあればココに錘を詰めることができる。

錘といえば鉛、鉛の錘といえば釣り。。。

あ、そういえば。
「ハサミで切れるシート状の錘」が確かあったよな。。。

さっそく上州屋に赴き「板おもり」を入手する。

今回は「板おもり」を使って、インクの直径と、本体の軸の内径の差を埋めることにする。

今回使った材料

1)お気に入りのボールペン

 今回は金属製のボールペン(モンブラン・№18310)と、樹脂製の万年筆(パイロット・カスタム74)を改造してみる。

2)板おもり

 上州屋、230円で入手。
 一番薄いタイプのものを選択する。

今回使った道具

1)ハサミ

 なんでもよい。

作り方

1)ペンの分解

 ペンを分解する。
 すでにインクが入っている万年筆に錘を増設する場合は、インクが飛び散ることを防止するため、カートリッジやコンバーターを外さない。

2)錘の裁断

 適当な長さで錘を裁断する。
 スキマの空き方はペンにより異なるため、後で調整すると割り切り、長めにカットする。

3)錘の巻き付け

 リフィルやカートリッジに錘を巻き付ける。
 できるだけ隙間ができないようにピッタリと巻き付ける。

4)錘の固定

 巻き付けただけだとペン先を上に向けた時に錘が移動してしまう。
 したがって、巻き付けた先を少し開いて、軸の中で錘を突っ張る感じにする。
 私はこれで固定できたが、うまくいかない場合、ボンドなどで固定してもよい。

5)ペンの組み立て

 ペンを組み立てる。

完成。。。

使ってみる

まず、重心の移動を確認する。

指にペンをのせて、重心が移動していることを確認する。
錘の量が少ないためペン自体の重さの変化はあまり感じないものの、重心が前に移動していることは実感できる。

持ってみる。

ん?
ペン先に重心が移ったことを、ちゃんと体感できるぞ。。。

書いてみる。

ん?
OHTOボールペンで感じた「ペン先が紙に貼りつく感覚」も再現できている。

重心を下げた位置がピッタリじゃないか。。。

本当はもう少し重心を前にしたかったのだが、ペン先に錘を巻き付けることが困難だったのでやむなく握ったあたりに錘を収納した。
しかしこの位置が絶妙で、持っている場所を支点としてペンを走らせるので、むしろこちらのほうが書きやすい。

ペン先が紙に貼りつく感覚の正体は、ペンを紙に押し当てる必要がないことである。
つまり紙に押し付ける必要がないぶん、力を抜いて書くことができるのではないだろうか。

まとめ

書きやすさは主観によるところが大きいため、本稿の内容はすべての人に当てはまるとは限らない。
また「重心」だけでなく「ペン全体の重さ」も書きやすさを左右する要因のひとつであることは間違いない。

しかし私にとっては重さよりも「ペンの重心」のほうがが書きやすさを左右しているようである。

。。。
「異なる業界に問題解決のカギがある」

どうやら私の考えは間違っていないようだ。
久々に釣具屋に行くと、工作に使えそうなものがたくさん見つかる。

また行こうっと。

( ̄▽ ̄)T







<免責事項>
ペンの改造、もしマネするひとがいるならばトラブルが起きても当方では責任を負えません。
自己責任で行ってください。

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